在宅介護で要介護3の方が使える情報

目次

介護サービスの負担額が低くなる「ポイント」の概念

実は、介護度別でひと月に所持しているポイントのようなものがあります。

(正式名称:区分支給限度額「単位」)今回の説明の中では、この正式名称は使わず「ポイント」と言い換えて説明をします。

このポイントは、以下のように割り振られています。

このポイントを活用することで、介護サービス利用料が実際の料金の10%〜30%だけの負担になります

具体的な活用例を見ながらイメージしていきましょう。

1ケ月197,050円のサービスを利用した場合
10%の自己負担の方は、19,705円だけの負担で済みます!

【要介護3】の方に役立つ情報①特別養護老人ホームへ入所できる

要介護3の認定を受けました。
要介護1や要介護2とは、何か違いがありますか。

要介護3の認定を受けたことでどうなるか。

最も特徴的なことは特別養護老人ホーム(以下:特養(とくよう))へ入所ができることです。

特養の入所条件やメリットなどを解説します。

入所の条件と手続き

  • 要介護3以上
  • 必要書類の準備と見学面談(申請書類、診断書、面談など)

特養入所に必要な条件は要介護3、また入所に必要な申請書類や診断書、見学、面談など段取りは少なくありません

実は要介護3が出れば必ず入所できるというわけではありません。

各施設ごとの基準で「入所判定委員会」が開催され、入所の選定をします。

判定委員会で検討されることは、例えば介護度が重い方(3<4<5)緊急性が高い方(家族が介護に疲弊)などです。

すでにケアマネージャーがついている方は
必要書類の準備や施設探しなどをサポートしてくれます。

特養入所のメリット

・24時間介護が受けられる

・費用が安い

・最期までみてもらえる

在宅介護では家族が24時間見てあげなくてはいけません。

特養へ入所することで、家族がしていた介護を一挙に受けてくれます。

心身ともに肩の荷が下りるのはとても楽です。

介護施設はひと月15万円前後かかります。(1割負担の場合)

後述する「介護保険 『負担限度額認定証』」という制度が適用されることでさらに費用が安くなる可能性があります。

「介護保険 『負担限度額認定証』」は有料老人ホームには適用できない制度なので、この制度が適用されることが、特養が人気の理由のひとつです。

特養は最期まで看取り介護もしてくれます。看護師や専任のお医者さんもいるため、夜中に万が一が起きても対応をしてくれます。

特養は最期まで看取り介護もしてくれます。
看護師や専任のお医者さんもいるため、
夜中に万が一が起きても対応をしてくれます。

特養入所のデメリット

・入所条件が要介護3以上

医療度が高いと退所の可能性あり

・入所までが長く待たされる場合がある

特養は費用が安いこともあり、入所希望者が多く、そのために順番待ちとなってしまい、いつ入所できるかわからないところがデメリットです。

このデメリットを少しでも解消するには希望する特養の相談員に介護が大変とアピールする必要があります。

具体的には見学に行く、施設のイベントに顔を出すなどです。

具体的なことをお伝えすると、
施設に見学に行く。
・施設のイベントに顔を出すなどです

特別養護老人ホームの選び方

担当のケアマネージャーがついていれば、相談しましょう。
リスト紹介近隣の特養を紹介してくれます。

ケアマネージャーがついていない場合
選び方、探し方は次の通りです
  • 家族の近くにある特養を選ぶ
  • インターネットで検索(◯市 特養)
  • 地域包括支援センターに相談

3番の地域包括支援センターは高齢者が無料で相談できる機関です。

中学校圏域に設置されています。

【要介護3】の方に役立つ情報②特養入所後の生活

家族介護は本当に大変です。

家族介護の1日と特養入所後の1日の様子を一例として紹介します。

家族介護の1日

介護サービスを利用せずに家族だけで介護をしている場合の一例です。

多くはデイサービスやショートステイを利用する場合がほとんどですが、利用をしない日は上記のようなスケジュールとなるでしょう。

特養へ入所した場合の1日

施設によって時間帯や巡回の回数などに違いはありますが、大きな流れは同じです。

特養へ入所させることは家族は苦しい気持ちにもなりますが、本人とコミュニケーションを取る時間に集中できます。

【制度の条件】

  • 要介護3以上
  • 入所申込書など必要書類の準備、面談、見学

【制度を使ったときの平均的な費用(サービス利用料など)】

おおよそ10万円〜15万円(介護代、食事代、部屋代などを含む)

【特養入所への申し込み方】

希望する特養へ申請書などを用意して直接申し込み。

または担当ケアマネジャーにお願いをして申し込みをします。

【要介護3】の方に役立つ情報③特養の費用が安くなる制度

【制度名の概要】

特養の一部の費用が安くなる『負担限度額認定証』という制度があります。

介護施設のひと月の費用は約15万円ほど。

この金額でも苦しくて入所を断念せざるを得ない方もいます。

そこで救済として使える制度が『負担限度額認定証』です。

低所得の方へ「居住費(部屋代)」と「食費」が補助されます。

令和6年8月1日から負担限度額が変わるので最新の情報で解説します

【結論】
居住費の負担額が60円(1日)値上げされます

負担限度額認定証』がもらえた場合
 上記の赤文字の料金が適用されます

『負担限度額認定証』は市区町村へ手続きを行い、対象となるか確認された上でもらえる制度です。

所得によって制度が適用されます。(表参照)

所得によって補助の段階が決まっています。

もっとも補助が手厚い段階は第1段階

多床室(2人以上の部屋)であれば部屋代は0円つまり無料です。

第2段階、第3段階①②と段階が上がるにつれて、補助額が減り、負担が増えていきます。

【制度を使うことで料金を比較】

『負担限度額認定証』が適用された場合の料金比較を紹介します。

前提条件:

  • 要介護3 特別養護老人ホームの多床室(二人以上の部屋)へ入所。
  • 要介護3の介護サービス費は、1日あたり約856ポイント。
  • ポイント数は地域によって異なるため、1ポイント = 約10円と仮定。
  • 介護サービス費:856ポイント × 10円 = 8,560円/日。

一般的な費用

一般的な月額費用の合計

2. 『負担限度額認定証』第1段階適用

第1段階適用時の月額費用の合計

まとめ

まとめ
  • 一般的な費用:95,280円/30日
  • 『負担限度額認定証』第1段階適用時の費用:37,680円/30日

ひと月、57,600円安くなります。

年間で計算すると約2ヶ月と10日分です。

【負担限度額認定証』の申請手続き方法】

ケアマネジャーがついている方は申請のサポートをお願いしましょう。

ただし、銀行口座情報を提出する必要があるため、申請自体は本人または家族が行う場合もあります。

申請の流れ
  • ケアマネージャーへの相談
  • 申請書の準備((『負担限度額認定証』申請書、預貯金等を証明する書類など))
  • 市区町村へ提出
  • 審査と交付(1〜2週間)

制度の適用はその月中に申請をすれば適用が認められます。

7月31日に申請、8月10日に適用された旨の通知が届く。

この場合7月分から制度が適用されます。

要介護3となる特養へ入所できることが大きなポイントになりますが、それと同時に『負担限度額認定証』の制度の活用も大きなポイントです。

特養の見学を進めながら『負担限度額認定証』の手続きを進めるとムダがなくなります。

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