【要介護4】の方が役立つ情報①受けられる介護サービス
要介護4の状態とは?
ベッドから起き上がる、着替える、食事をする、排泄する、お風呂に入るなど、24時間のほとんどに介護が必要な状態です。
要介護4で受けられる在宅介護サービス
全ての介護サービスが受けられます。
大きくまとめると8種類です。
覚えておきたいのは、介護状況や病気による症状の違いによって、受けられる介護サービスが異なるということです。
わかりやすい例として、訪問介護(以下:ヘルパー)を挙げます。
介護状況においては、家族が同居しているかどうかによって、ヘルパーが提供できるサービスに違いがあります。
また、同居している家族が高齢者の配偶者(夫または妻)なのか、息子や娘であるのかによっても、サービスの内容が異なります。
例えば、病気の症状によって、同じ要介護4でも認知症のある方とない方で介護の手間が異なるため、提供するサービス内容やかかる時間が違ってきます。
では、実際どのように変わるのか、ひとつのモデルケースを用いて紹介・解説します。
【要介護4】の方に役立つ情報②在宅介護サービスを利用する生活としない生活
【制度名の概要】
要介護4の方が在宅介護サービスを受ける場合のモデルケース
【前提条件】
本人の状況
- 男性 要介護4 85歳 軽い認知症 脳梗塞(左半身麻痺)
- 排泄はオムツ
- ほとんどベッドで寝ている
- 数歩なら歩ける
家族の状況
- 妻80歳(同居)家事全般を担う。膝の痛みあり
- 長男(市内在住で週一回訪問)就労。お風呂の手伝いをするができないこともある。
- 長女(近隣在住1日おきに訪問)パート就労。子供はいるが、両親が心配で少しの時間でも顔をだす。
以上のような家族状況、病気や症状をモデルケースに介護サービスを利用することでどのように変わるか比較してみます。
【介護サービスを使うことで生活がどう変わるか】
・制度を活用しなかった場合の1日
スケジュール概要となりますが、本人に軽い認知症があるため、実際にはところどころで妻が呼び出されることもあります。
ほぼ寝たきりの状態とはいえ、本人を家にひとり残すことは妻が心配します。
そのため、長男や長女が役割を分けて在宅介護を手伝っています。
このような生活を続けると、介護をする側・受ける側ともに
以下のような心配ごとが出てきます。
専門的なリハビリを行っていないため、膝や肩などの関節が拘縮する可能性がある。
深刻なのは家族の介護疲弊。
妻自身も休めないですし、長男、長女も自分の時間がありません。
家族との貴重な時間を過ごすこともできないため、ストレスが溜まる一方となってしまいます。
・制度を活用した場合の1日
在宅介護サービスを組むパターンがいくつか考えられますが、今回は以下のような
具体例を用いて、以下のサービスを利用すると仮定し解説していきます。
- ヘルパー(朝・夕方おむつ交換)
- デイサービス(週3回 適度な運動 入浴サポート 昼食 交流)
- 福祉用具(車椅子 ベッド)
・制度を活用した場合の1日
【今回の制度活用時のポイント】
〈全体〉
要介護4のポイント(30,938ポイント)以内に収まるように介護サービスを組んでいます。
制度を活用すると、家族の負担は減りますが、突然介護が無くなることに寂しさを感じる場合もあります。
週3回は限度として、週一回から始めることも方法の一つです。
〈ヘルパー〉
最も大変な在宅介護のひとつがおむつ交換(排泄介助)です。
朝と夕方にヘルパーさんにお願いし、妻・長女の心身の介護負担を軽減します。
〈デイサービス〉
入浴サポート・適度に運動ができる・夕方まで見てもらえる1日型を組んでみました。
これにより、家族は朝から夕方まで家のことや自分のことができるので、心身ともに介護への負担がおおきく軽減されます。
(補足)
入浴サポートは車イスまたは寝たきりでも対応ができるデイサービスを選びます。
〈福祉用具〉
【要介護4の場合】
以下の2つの福祉用具が最低限必要です。
- 生活の土台ともなるベッド
- 外出の機会を設けられる車イス
自宅ではベッドで寝ている時間、デイサービスでは車イスに座っている時間が長いと褥瘡(じょくそう)ができてしまいます。
褥瘡にならないための対策として、体圧が分散されるベッドマットや車イスクッションを手配することもできます。
【制度を使ったときの平均的な費用(サービス利用料など)】
【制度の申し込み方】
在宅介護サービスを利用するには、在宅介護の仲介を専門とするケアマネジャーへ申し込み、相談をします。
【要介護4】の方に役立つ情報③ショートステイを利用できる
【制度名の概要】
特別養護老人ホーム(以下:特養)などで2泊3日といった、短期間のお泊まりができる介護サービスです。
ショートステイを利用する理由は様々ですが、例えば次のような場面が考えられます。
- 介護者が一時的に介護できない(入院や介護疲弊など)
- 介護者の休息
- 家族が遠出をする(冠婚葬祭など)
【介護サービスを使うことで生活がどう変わるか】
上記で解説をした、在宅介護サービスを利用している上で、さらにショートステイを組んだ場合を比較解説します。
・ショートステイを活用しなかった場合の1日
・ショートステイを活用した場合の1日
1週間のスケジュールで見比べるとイメージしやすいです。
・ショートステイを活用しなかった場合の1週間
・ショートステイを活用した場合の1週間
2泊3日の、ショートステイを利用することで、家族の介護負担がかなり緩和されます。
ショートステイは、毎週の利用ではなく、ひと月に1回、上記のような予定を入れるだけでも家族の介護負担を軽減できるので、積極的に活用したい在宅介護サービスです。
【制度の申し込み方】
ショートステイも在宅介護サービスとされています。
在宅介護の仲介を専門とするケアマネジャーへ相談、申し込みをします。
【制度を使ったときの平均的な費用(サービス利用料など)】
要介護4の方が在宅介護で介護代にかかる費用が4万円、5万円は高いと感じる方がいるかもしれません。
しかし、特養などの施設入所はひと月約15万円ほどかかってしまうため、経済的負担が大きくなります。。(立地などによって変動)
「要介護4となってしまっても、ご本人の希望やご家族の希望でなんとか在宅での生活を続けたい。」
という方は、今回ご紹介した制度の活用を検討して、少しでも本人・家族の負担を軽減するように動いていくことをおすすめします。
コメント