在宅介護で要介護5の方が使える制度

目次

【要介護5】の方が役立つ制度①受けられる介護サービスを紹介

要介護5の状態とは?

要介護5の状態は、日常的に全ての場面で全面的な介護が必要な状態。

食事、着替え、排泄、お風呂に加え、ベッドから起き上がる、車椅子で移動するなど日常生活でなにをするにも介護が必要な状態です。

要介護5で受けられる在宅介護サービス

【結論】

すべての介護サービスが受けられます。

大きくまとめると8種類です。

要介護5の方は日常生活のすべてにおいて介護が必要な状態ですが、すべての介護サービスを利用する必要はありません。

例えば、デイサービスやデイケアなど、施設に通うタイプの介護サービスを利用せず、訪問看護や訪問リハビリを通じて体の状態を見てもらったり、関節を動かすリハビリサービスを受けるという選択肢もあります。

また、おむつ交換を家族が行うことで、ヘルパーに依頼する必要もなくなります。

ただし、家族だけで在宅介護を続けると、
疲労やストレスが過度に溜まりやすいため、
満足のいく介護ができないのが現実です。

要介護5の方を在宅で介護する場合は、1泊2日といった短期間の宿泊ができる介護サービス「ショートステイ」を併用することで家族も介護を休むことができます。

その結果、家族のストレスも溜まりにくくなり、満足のいく介護ができるようになるのです。

では、実際にどのように変わるのか、ひとつのモデルケースを用いて紹介・解説します。

【要介護5】方が役立つ情報②ショートステイを併用する場合としない場合

【制度名の概要】

要介護5の方がショートステイを併用した在宅介護と併用しない在宅介護

ショートステイとは?

ショートステイとは介護施設に1泊2日といった、短期間の宿泊ができる介護サービスです。

利用中は食事やお風呂のサポートはもちろん、排泄や運動といった日常生活全般の介護もしてくれます。

【前提条件】

本人の状況

  • 女性 要介護5 95歳 加齢に伴い体力などが低下 軽い認知症 
  • 着替え、排泄、入浴など生活のほぼすべてに介護が必要
  • おかず一品くらいであれば一人で食べられる。
  • ゆっくりと会話ができる。

家族の状況

  • 夫:他界。
  • 長男夫婦が同居(家事全般を行い、おむつ交換もする)
  • 次男(車で20分圏内に在住)毎週金曜日の夜に一泊し介護を手伝う
  • 長女(隣市に在住)2週間に一回訪問し介護を手伝う。

*子供たちは全員60代。それぞれに子供はいるが成人している。

以上のような家族状況・病気や症状をモデルケースに
ショートステイを利用することで、どのように在宅介護生活が変わるか比較してみます。

【ショートステイを利用することで生活がどう変わるか】

・ショートステイを併用しない在宅介護

まずは在宅介護サービスの利用はあるが、ショートステイの利用がない、1日の在宅介護生活をみてみましょう。

利用する介護サービス

  • へルパー、訪問リハビリ、訪問入浴、福祉用具

12:30のヘルパーは月曜日から金曜日の平日。訪問リハビリは週に2回。訪問入浴は週一回。福祉用具はベッド一式を借りていると仮定します。

介護サービスを利用しているとはいえ、家族が24時間365日見てあげなくてはいけないため身体や気持ちが休まりません。

家族状況から在宅介護を続けることができるかもしれませんが、このスケジュールを24時間365日続けることはストレス、疲労はたまっていきます。

ショートステイを併用した場合の在宅介護を見てみましょう。

1週間のスケジュールで比較してみると、イメージがつきやすくなります。

・ショートステイを併用しない在宅介護

介護保険サービスを利用していますが、家族も毎日、介護をしています。

では、
ショートステイを利用した場合の1週間のスケジュールを見てみましょう。

・ショートステイを併用した在宅介護

週末に2白3日のショートステイを利用することで

家族の介護負担がかなり緩和されます。

現在はコロナも落ち着いているため、面会ができる施設もあります。

次男や長女が施設にて面会が可能です。

毎週末に長男夫婦の自宅を訪問するのは意外と気を使うものです。

ショートステイを利用すれば気を使う必要がなくなり、長男夫婦も外出することができます

【要介護5の方がショートステイを併用した時の費用】

【制度の申し込み方】

ショートステイを利用するには、在宅介護サービスの仲介を専門とするケアマネジャーへ申し込み、相談をします。

ショートステイを利用する前に2ヶ所ほど施設見学すると利用に失敗しにくくなります。

あらかじめ見学をしていると、「施設の雰囲気」「職員の顔」「利用している方の顔」がわかり、安心感を得られるからです。

特に窓口になる「相談員」の顔を知っておくことが大切。

質問やトラブルがあった時に、「この相談員なら話がしやすい」という印象を持てることは大切なポイントになります。

見学をしておかずに、トラブルがあると「この施設で良かったのだろうか?」と不安や疑念を持ってしまいます。

施設見学は後悔しない利用のための事前準備とも言えます。

【要介護5の】方が役立つ情報②おむつ代に給付金の支給】

【制度名の概要】

要介護度が重くなると、トイレで排泄ができなくなるためなり、
おむつが生活必需品となります。

この制度は、在宅で介護を受けている高齢者とその家族を対象に、家計を圧迫するおむつ代の負担を援助してくれる制度です。

【制度利用の要件】

おむつ給付を受けるには一定の要件が必要です。

※地域によって、制度の内容が異なる可能性があります。

イメージしやすいように、千葉市でおむつ給付金を受けるための要件をご紹介します。

千葉市の場合は、以下の要件すべてに当てはまっていることが必要です。

【制度を活用することでどのように変わるか】

設定条件

  • 要介護度:要介護5
  • おむつ交換回数:1日4回(朝、昼、夕、夜中)
  • おむつ費用:一般的なおむつの費用で計算

一般的なおむつ費用

  • 1枚あたりの費用:100円(仮定)
  • 1日のおむつ費用:100円 × 4枚 = 400円
  • 1ヶ月(30日分)のおむつ費用:400円 × 30日 = 12,000円

・おむつ給付金を利用しない1ヶ月分の費用

おむつ給付金を利用しない場合は、上記で示したように1ヶ月で12,000円です。

・おむつ給付金を利用した1ヶ月の費用

本来のおむつ代:12,000円

市の給付額:7,200円

利用者負担額:800円

1ヶ月分のおむつ代:4,800円

本来のおむつ代12,000円だった費用が、

おむつ給付を利用することで、4,800円で購入できることになります。

メモ

【制度の申し込み方】

自治体によって申し込み先の窓口が「高齢者支援課」や「介護保険課」などと呼び方が変わります。

今回は「高齢者支援課」として解説をします。

申し込みは高齢者支援課です。またはケアマネジャーに相談しても構いません。

申し込みに必要な書類は次のとおりです。

1、2、は自治体のホームページからダウンロードできますが、自宅にプリンターがない方は役所の窓口で手続きが可能です。

ケアマネジャーがついていない方は地域包括支援センターでも相談できます。

申請の相談先

  • 自治体窓口(高齢者支援課、介護保険課)
  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター

おむつ給付はおむつ代の費用によって家計を圧迫していると思われる方に給付金がでます。

2の調査は税の調査です。給付対象となるかを調査されることに同意してもらう書類です。

3、介護保険被保険者証のコピーは現在の介護度を把握するために必要となります。

以上はほとんどの自治体で必要な書類です。

自治体によっては申請書類が異なります。事前に確認をしましょう。

直接問い合わせる、ホームページで確認する、ケアマネジャーに確認をしましょう。

【制度の活用ポイント】

おむつ給付の申請が通ると、自治体から給付の「決定」または「却下」の通知が送られます。

決定の場合、自治体によって異なりますが次のとおりに給付制度を活用します。

1、対応可能なおむつ業者におむつを届けてもらう

主に福祉用具を取り扱う業者がおむつを届けてくれるサービスもしています。

買い物でおむつを購入すると大きな荷物になります。

業者におむつを届けてもらうことで時間も手間もなくなるのでおすすめです。

おむつ給付に対応可能な業者は自治体の一覧表から確認ができます。

2、おむつ券が利用できるドラックストアなどで購入

おむつ券が利用できるお店は自治体によって決まっています。

〔〇〇市 おむつ給付〕このようにネット検索をすると自治体ごとで一覧表が確認できます。

自治体によっては現物給付(おむつその物)を支給しているため、助成対象のおむつ商品一覧表を記載している場合もあります。

まとめ

在宅介護は施設介護に比べて費用がかからない分、家族に負担がかかります

家族が介護スタッフのようなものです。

要介護5になっても、在宅介護を続けるということは本人や家族にそれなりの覚悟があると想像します。

一度決めたことだからと、家族で頑張りすぎると後悔の残る在宅介護になる可能性も高まります。

今回、ご紹介したような介護サービスやおむつ給付などの制度を活用して、後悔のない在宅介護をしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次